Voice.03

「決まっていないなら、つくればいい」。
変化の渦中でこそ、裁量は大きくなる。

掛川工場 施設管理課/課長 K.Mさん(中途/2024年入社)

設備保全のキャリアを携え、3度の転職を経て当社へ。いまは掛川工場で課長を務めるK.Mさんは、入社からの約2年間、場当たり的な対応から脱却し、組織の土台となる「仕組み」をつくることに力を注いできました。大手グループの安定を期待して入ってみたら、意外にも整っていなかった――けれど、それは「自分の手で変えられる」ということでもあった。変化の渦中にある会社で、裁量を武器に働くおもしろさを聞きました。

自分のキャリアを守るために。3度目の転職で定めた軸

前職では、設備の導入などに携わっていました。ただ、現場でコンプライアンス上どうかと思う場面が、たびたび見受けられるようになって。「このまま続けていたら、自分のキャリアまで危うくなる」――そう感じたことが、転職を考えた直接のきっかけでした。今回が3回目の転職なので、こういう決断のときに、もう人に相談はしません。1回目はどうしても不安で周りに相談したものですが、回数を重ねると、むしろ自分で決めるようになるものですね。

仕事を探すうえで決めていた軸は、ひとつ。「地域では選ばない」ということです。住む場所より、職種を優先したかった。自分のキャリアの延長線上で、設備保全という専門性を継続できるか――そこだけは譲れませんでした。前職では愛知に住んでいたので、最初は近県から探しましたが、条件に合うところがなくて。徐々にエリアを広げていって、最終的に掛川にたどり着きました。引っ越しには抵抗もありませんでしたね。プライベートで来たことのある土地でしたから。

「会社が変わるチャンス」。転換期だからこそ飛び込んだ

いくつかの企業を受けるなかで、当社を選んだ決め手は、ちょうど会社が大きな転換期にあったことでした。管理職を募集していて、これまで自分がやったことのないポジションに挑戦できる。しかも、会社が変わっていくタイミングなら、自分の思った通りにやれる余地も大きいだろう――そう考えたんです。正直に言えば「ダメだったらダメで」という気持ちもありました。それでも、両方の意味でチャレンジしてみたい、と。

入社して最初の数か月は、副課長という立場で引き継ぎをしていました。前任の課長が退任したあと、課長を引き継いだ形です。管理職として外から入ると、周りの方々の目線や、こちらへの気の使われ方も独特なものがあります。だからこそ、まずは一緒に現場へ出ること、そしてできる限り対話することを心がけました。現場のことは私もはじめは分かりませんからね。とにかく足を運んで、話す。そこから少しずつ、組織に馴染んでいった感覚があります。

「仕組みがない」は、裁量があるということ

入社前と後で、いちばん大きかったギャップは「仕組み化」でした。それなりの歴史と規模の会社ですから、いろいろと整っているのだろうと想像していたんです。ところが、意外とそうではなかった。前職での経験から見ると、「なぜこのグループの会社で、ここまで仕組みが整っていないんだろう」と感じる部分が、正直、いくつもありました。

でも、これはネガティブなだけの話ではありません。むしろ、自分の好きなように変えていける、提案が通る、ということでもある。大手だと、規模が大きいぶん「変えるに変えられない」ことが多いんです。ルールがあれば、それに従うしかない。その点ここは、自分の裁量で組織のベースをつくっていける。場当たり的な対応に流されず、「基本はこれでやりましょう」という土台を整える――そこに、大手にはないやりがいを感じています。もちろん、ガチガチに固めすぎてもいけない。守るべきところは守りつつ、改善の余白は残しておく。そのバランスを意識しています。

いい意味でのギャップもありました。仕組みは未整備でも、一人ひとりが裁量と得意分野を持って動いている。大手だと「ここまでしかやらない」という線引きが多いのですが、ここはその線を越えて、踏み込んで仕事をする人が多い。人が少ないこともあって、過度な縄張り意識がなく、自然と助け合いが生まれているんです。これは、これまで会社を支えてきた出向者の体制が変わり、「自分たちで何とかするしかない」という当事者意識が広がったことも大きいと思います。そういう環境だからこそ、チームワークが育っているのだと感じます。

目の前の業務から、2〜3年先の戦略へ

この約2年で、いちばん成長を実感したのは「視座」です。管理職になる前は、せいぜい1年先まで。目の前の仕事をこなすことで精一杯でした。それが今は、2〜3年先を見据えて逆算し、戦略を立てて動くようになった。部署としてのビジョンがなければ、結局は目の前のことをやるだけになり、どこかで問題が噴き出してしまう。そして何より、メンバーの頑張りが正しく評価されるよう、先を見据えた戦略を描くことが、管理職の責任だと考えています。

上司から示されるビジョンを、どう実現するか。先々問題になりそうな芽を、いまどう摘んでおくか。組織の決定に対しても、ただ従うのではなく、自分なりの意見を持って議論するようにしています。納得しないまま受け入れてしまうと、自分も苦しいし、部下にも苦しい思いをさせてしまう。きちんと腹落ちしているからこそ、部下にも根拠を添えて説明できるんです。一方で、「今すぐやるしかない」という場面では、戦略的に割り切ることも必要。状況に応じて、使い分けています。

達成感を覚えたのは、会社が注力するコスト削減で、年間目標を上回って達成できたときです。取引先を見直したり、内製化を進めたり。実現できたのは、前職の経験にもとづく見立てと、何より「とにかく試してみる」という行動量、そしてメンバーが積極的に動いてくれたおかげです。だからメンバーに仕事を渡すときは、丸投げにならないよう、必ず背景と目的、ある程度の筋道を添えるようにしています。ゴールが見えないまま進めると、思っていたのと違う結果になりかねませんから。ミスが起きたときも、責めることはしません。起きたことは仕方がない。それより、次にどうするか、いまどうするか。再発を防ぐことに重点を置いています。工場の世界では、昔は感情をぶつける指導もスタンダードでしたが、この10数年でずいぶん変わってきたと感じます。

変化を楽しめる人と、これからの会社をつくる

これから挑戦したいのは、購買業務の商流を整えることです。新しいシステムの導入に合わせて、どういう流れで取引していくかを設計し、仕組みとして整備していく。これまでは、過去から抱えてきた課題の整理――いわば「事業所を何とかする」ことに注力してきました。これからは視点を一段引き上げて、会社全体の戦略にも関わっていきたいと思っています。短期間で設備を立ち上げてほしい、といった急な難題が舞い込むこともありますが、そういうときは関係者を集めて、とにかく早く、行動量でカバーする。管理職という立場と、「自分たちで何とかする」という皆の共通認識が、それを支えてくれています。

働き方は、月曜から金曜まで。朝7時前後に出社して、だいたい18時、遅いと19時すぎまで。休みの日は、掃除や買い物をして、動画を見て過ごすことが多いですね。3か月に1回くらいは旅行にも出かけます。掛川は、とにかく交通の便がいい。新幹線も、バイパスも、高速もあって、少し行けば空港もある。どこへでも行けるんです。1時間ほど走れば山も海もあって、自然が豊か。魚も美味しくて、カツオやマグロ、シラスや桜エビ、それにお茶も。暮らすには、なかなかいい場所だと思いますよ。

この会社に向いているのは、変化を楽しめる人、変化に適応できる人です。まだ細かく決まっていないことが多いぶん、「決められたことを、決められた通りにやりたい」という方には、大手のほうが合うかもしれません。逆に、自ら提案して改善していきたい、どんどん任されて成長したい――そういう人には、これ以上ない環境です。手を挙げれば任せてもらえる。声を上げれば、その声が届く。もし周りに迷っている人がいたら、私はそう伝えます。これまでの経緯で生まれた弱みはカバーしつつ、強みである「裁量の大きさ」を活かして、これからの会社を一緒につくっていけたらうれしいです。

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